2013年9月6日金曜日

民法、120年ぶり大改正へ=消費者保護に力点、財界から懸念も(時事ドットコム、2013/08/31-14:54)

 時事ドットコムに掲載された注目すべき記事だ。実務家、受験生に影響が大きく、これまでのテキストがゴミになる。 



 法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は9月から、契約に関するルールなどを定めた条文の改正に向け、本格検討に着手する。対象は約260項目に上り、企業が消費者と契約する際に示す「約款」に関する規定を新設するなど、消費者保護に力点を置いた内容となる見通し。2015年1月までの要綱案取りまとめを目指す。法務省はこれを踏まえ、同年の通常国会に民法改正案を提出する方針実現すれば約120年ぶりの大改正となる。

 契約ルールなど債権関係規定の大幅改正は、1896年の民法制定以来、行われていない。時代の変化に対応できなくなった条文が多いとされ、法務省は「全般的にメンテナンスが必要な時期に来ている」と指摘する。

 インターネットを通じた売買や保険加入、携帯電話の契約などで、消費者が約款をよく読まずに契約し、後で企業側とトラブルになるケースがあるが、現行民法には約款に関する規定がない。このため部会は2月にまとめた中間試案で、(1)契約当事者が約款の使用に合意(2)消費者が契約締結前に約款の内容を把握する機会の確保-の要件を明記することで、トラブルを未然に防ぐ方針を打ち出した。

 また、相手側の弱みにつけ込み、過大な利益を得る「暴利行為」については、公序良俗違反の契約は無効との判例が確立されているものの、明文化はされていない。そこで相手の困窮や経験・知識の不足を利用し、著しく過大な利益を得る法律行為は無効」との趣旨の規定を新設し、一般の人が条文を読んでも分かるようにする案が有力だ。

 消費者の権利を重視する方向で検討が進むことに対し、経済同友会は約款に関し「問題が数多く発生している状況ではない」との見解を表明。経団連は暴利行為に関し、「いかなる場合が『著しく』に該当するかの判断は困難」と指摘している。政府としては、経済界からのこうした懸念を取り除く必要があり、改正案提出までには曲折も予想される。