2009年9月5日土曜日

「高齢者の権利の実現と擁護」を聞く

 9月5日(土)13時から、瑞穂市総合センターで開催された「朝日大学公開講座2009 in 瑞穂」へ行ってきました。総合センターは、岐阜のアパートから20分くらいのところにある。今回のテーマは、「高齢者に関する法律」で、第一講は、愛知弁護士会の大塚先生の「高齢社会を生きるための法律知識」、第二講が岐阜弁護士会の畑先生の「高齢者の権利実現と擁護のために」であり、そのあと岐阜弁護士会の山田・太田・西本先生がパネラーになった「パネルディスカッション」が行われた。新型インフルエンザの予防のため、会場関係者はマスクを着用。受付近くに消毒薬が置かれ、入場者もマスクをした人が散見された。

 当日は、岐阜は晴天。大塚先生は「歌う弁護士」として有名。ドレス姿で登壇。まず、臨終から葬儀終了までの流れと各段階における心構えを述べられた。次いで、高齢者における離婚と財産分与(住宅ローンが残っている建物、退職金、年金分割など)、病気への対策(家庭医を持つこと、任意後見契約の締結)、最後に、「親愛なる子供たちへの手紙」を紹介された。この手紙は、ぼけた親が子供に心情を伝える文面だ。子供が母親に何度も好きな絵本を読んでもらうたびに親が感じた幸福感を、ぼけた親に繰り返し答えるときに子供が感じてほしい、風呂に入りたがらない子供を追いかけて風呂に入れた親の気持ちを同じ状況にある親に対して感じてほしい、といった内容だ。予定された内容は時間内で解説しきれなかったが、この手紙で、聴者の心をつかんだように感じた。

 畑先生は、岐阜県の65歳以上の高齢者が人口の22.9パーセントで、全国平均の22.1パーセントを上回っており、振り込め詐欺の被害が、全国4番目か5番目であるといい、手口を紹介され、対策として、合言葉を考えておくことが有効だといわれた。また、ぼけた高齢者は悪徳業者のカモになるが、子が老親と別居している場合は、被害が明らかになるのが遅れて救済が難しくなることが多いから、周囲の人が見守るような活動を展開することが有効だと指摘した。さらに、7年以上過払い利息を払っている場合は、お金が返ってくる可能性が高いから弁護士会や消費者センターに相談してほしい、と言われた。高齢者に対する虐待を防止するためには、地域包括支援センターの活用や成年後見制度(特に任意後見制度)を活用してほしいとも言われた。ポイントを押さえて、時間内に上手にまとめられたが、流した部分に多くの問題が含まれている。それを聴き手に感じさせないように流したところに話のうまさを感じた。

0 件のコメント:

コメントを投稿